今回は、【論語から学ぶ経営哲学:木は本(もと)から】というお話しをします。 論語の中に、 -----+-----+----- 【君子務本、本立而道生】 君子は本を務む。本立ちて道生ず 。 -----+-----+----- という言葉があります。 ㅤㅤ 私なりに解釈すると、 -----+-----+----- 君子とは、本(もと)となる重要な意義や真実を、求める努力をするものである。 そして、それがしっかりしていてこそ、初めて各々の進むべき道が見えてくるものである。 -----+-----+----- となります。 ━━━━━━━ 同じ事をしていても ━━━━━━━ ここで言う【本】とはどういうことでしょう? ㅤㅤ 有名な例え話があります。 ㅤㅤ その昔、1人の老人が歩いていると、レンガを積んでいる三人の若者に出会います。 ㅤㅤ 老人は尋ねました。 ㅤㅤ 「何をしておられるのですか?」 ㅤㅤ ㅤㅤ その三人は次のように答えました。 ㅤㅤ Aさん「私はレンガを積んでいます。」 ㅤㅤ Bさん「教会をつくっているのです。」 ㅤㅤ Cさん「近くに住む人達の憩いの場となる、教会をつくっているのです。」 ㅤㅤ ㅤㅤ 3人の答えは、 ㅤㅤ Aさんの言葉は、レンガを積むという【行動】を、 ㅤㅤ Bさんの言葉は、その先にある教会という【目標】を、 ㅤㅤ Cさんの言葉は、そして人々の憩いの場という【最終的な目的】を、 ㅤㅤ それぞれ、表しています。 ━━━━━━━ 本(もと)とは? ━━━━━━━ 本(もと)とは、行動や目標の先にある【目的】のことです。 ㅤㅤ ・枝葉末節ではなく【幹や根】 ㅤㅤ ・手段、手法ではなく【理念・方針】 ㅤㅤ ・起きた問題や出来事ではなく、【根本原因】 ㅤㅤ ・応急処置ではなく恒久的な【問題解決】 ㅤㅤ このように、自分の行動の【本】を考える習慣が大切です。 ━━━━━━━ 【本(もと)】を深く理解する ━━━━━━━ 【本(もと)】は、身近な事にも沢山あります。 ㅤㅤ 例えば、 ㅤㅤ 【資本】 ㅤㅤ 資本の【資】は、訓読みにすると「たから」とも読みます。 ㅤㅤ 資本を持っているという事は、「たからのもと」を持っている、つまり「価値提供」ができるという事。 ㅤㅤ そういう人には自然と人が寄って来ますし、その人の為に時間を費やしてくれる事でしょう。 ㅤㅤ ㅤㅤ 【基本】 ㅤㅤ 素晴らしい理念やビジョンを実現する為に起業する! ㅤㅤ それは良いと思うのですが、 ㅤㅤ では、 ㅤㅤ ・事業計画書は? ・市場調査は? ・顧客リストは? ㅤㅤ こういう具体的な事を聞いた時に何も答えられない人がいます。 ㅤㅤ 意気込みだけでは何も変わらない。 ㅤㅤ やることをやっていないのに吠えるなよ、と思います。 ㅤㅤ ㅤㅤ 【根本】 ㅤㅤ 行動は思想の表れです。 ㅤㅤ 枝葉末節のテクニックを磨いたところで、根っこにある「マインド」がしっかりしていないと意味がありません。 ━━━━━━━ まとめ ━━━━━━━ 大切なのは何事に於いても【本(もと)】の部分を見失わないという事。 ㅤㅤ 現代は物も情報も溢れるほどある。 ㅤㅤ その中に居て、より良い選択、判断をして行くために必要なのが、この【本(もと)】という概念です。 ㅤㅤ -----+-----+----- 【資本】を持ち、 【基本】を守り、 【根本】を知る。 -----+-----+----- そして人として【見本】となる。 ㅤㅤ こんな風に、本という一文字を掘り下げるだけでも、人生について深掘りできるのが漢字の面白さでもあります。 ㅤㅤ その他にも、 ㅤㅤ 本気、本意、本来、本当、本命、本能、本質・・・。 ㅤㅤ 皆さんも、ご自身で深掘りをしてみてくださいね。 ㅤㅤ 世の中の非常識は華僑の常識。華僑Jでした!